今週のオススメ本

ベン・ライス「ポビーとディンガン」アーティストハウス  ポビーとディンガン



 舞台はオーストラリアの、オパール採掘場がある町。「ポビー」と「ディンガン」は主人公・アシュモフの妹ケリーアンの友達。でも、二人ともケリーアンにしか見ることができない。物語は、「ポビーとディンガンがいない」というケリーアンの言葉からはじまる。二人がいなくなったのをきっかけに、ケリーアンは心配から次第に元気をなくしてゆき、やがて寝込んでしまう。ポピーとディンガンを認めないアシュモフには不本意だけれど、妹が元通り元気になるには二人を見つけるしかない。町の人たちの協力で「目に見えない友達を捜すふり」をしてもらううちに、事態は意外な方向へ……。
 『21世紀の星の王子様』と大絶賛らしいです。『星の王子様』は冒頭しか知りませんが、言いたいことは似てるかも。泣けると断言はしないけど、ラストはちょっとぐっと来る。児童文学かもしれないけど、子供向けな分純粋なんですよ。そして何より可愛い。あらすじだけで何か可愛い感じしません?
 2時間で読めてしまう短いお話ですけど、すこし時間をかけて「ポビーとディンガンを捜す意味」を考えてみるのもいいかもしれません。