今週のオススメ本

石川雅之もやしもん」1〜2巻 講談社  もやしもん(1) (イブニングKC)


 主人公、沢木直保は肉眼で菌が見える不思議体質。しかも、会話もできるらしい。幼馴染の結城蛍(男)と共に東京の農大に入学した沢木は、祖父の友人である樹教授のせいで入学初日から菌まみれ(笑)。校内の森に埋めてあった発酵食品やら、教授の手下の院生の水虫やら、研究室の下で上級生が作っていた密造酒に発生した火落ち菌やら、その上級生が寮で飼っていた蚕についた冬虫夏草やら。
 菌が可愛いので、意外と癒し系かもしれません。「かもすぞー」って。漢字で書くと「醸す」。ここでは菌の働き全般をさして「かもす」と言っているようです。O-157が「かもして、ころすぞ」とか。それすら可愛い(唯一、火落ち菌だけは可愛くなかった……)。「もやしもん」というタイトルの意味は、主人公が業界用語で「もやし屋」である「種麹屋」の息子だから。だと思います。いっつも肩に実家からくっついてきた麹菌がいるのです。
 農大&菌てどんな話になるのかと思っていたら、かなり実用的な内容が多いです。日本酒と発酵食品に詳しくなれます。病原菌対策とかも時々ある。多分3巻に収録されると思いますが、自宅で納豆を作る方法とかもあります。


 ウチの店には作者の直筆色紙(クレヨンで青カビが「かもすぞー」)が飾ってあるのに、柱の「フェア実施店」に名前が載ってませんでした。何故……? しおりだって配ったのに……!!