今週の読書

 微妙にいつもとタイトルが違うのは気のせいだと思います。



オスカー・ワイルド「ドリアン・グレイの肖像」新潮文庫 ISBN:4102081011
 「リーグ・オブ・レジェンド」っていう映画をご存じですかね。私が「ドリアン・グレイ」の名前を知ったのはこの映画でした。内容は、19世紀末のロンドンを舞台に、世界的な名作に登場する七人の超人たちがチームを組み、ヨーロッパに戦争を起こそうとする謎の組織と戦う、というもの。その七人の中で、「ドリアン・グレイ」だけが元の話を全く知らなかったので読んでみようかなーと思いつつ早2年。何でそんな映画を見ようと思ったのかというと、単にドリアン役のスチュアート・タウンゼントが見たかったから。「クィーン・オブ・ザ・ヴァンパイア」でレスタトやった人です。
 舞台は19世紀末のイギリス。美貌の青年ドリアン・グレイは、友人の画家に頼まれて肖像画のモデルを引き受ける。肖像画が出来上がる頃、ドリアンは画家の友人であるヘンリー卿と出会い、その言葉に感化され、自らの美しさを意識しはじめた。そして思わずこう口走ってしまう。「自分の身体はいつまでも若さを保ち、この肖像画が年を取ってくれればいい」。その言葉は現実となり、彼の重ねる快楽と罪悪は次第に肖像画を醜く蝕んでゆく。
 流石唯美主義の象徴、オスカー・ワイルド。って感じですか。いつだったか「サロメ」も読みましたけど、恐ろしく退廃的ですよね。この時代のイギリスでそういうのが流行ってたってのもあるんでしょうけど。ジョニー・デップの「フロム・ヘル」で描かれてるようなイギリスが好きな人にはおすすめ。舞台は同じ時代です。